読む気にさせるタネ

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デザインでこんなに変わる伝わりやすさ

デザインで変わる伝わりやすさ

例えば、レストランのメニューに、デザインの基本的な手法が見られることがあります。何気なく配置してある文字のようですが、そこには、整列され揃えられた料理名の配置があり、適切な位置関係でその料理の解説が配置されていたりします。また、サラダ、前菜、スープなどのカテゴリがわかるように、文字の太さや大きさに強弱をつけていたり、同じ種類のものがわかるようにあしらいを反復していたりするものです。

これらのことは、書籍、雑誌、会報誌、社内報、広告などのデザインや、このWebサイト内でも使われているデザインの基本原則です。私たちが作るものも、これらのデザインの基本原則を土台にしています。そして、その土台を踏まえたうえで、より読みやすく伝わりやすい魅力的なものを作るべく、日々思案をしています。

せっかく作る制作物ですので、できるだけ多くの方に最後まで読んでいただきたいものです。パッと見ではカッコよく見える制作物が、読みにくいことが原因で、最後まで読まれないようなことでは意味がありません。

ここでは、文字の組み方やあしらいによって、伝えたいメッセージが、より伝わりやすくなる例を、いくつかあげてみたいと思います。

1-A
1-B
1-A
1-B

ひとつめは文章の組み方の例です。文章を読んでいて、知らず知らずのうちに読む気がなくなっていくことはないでしょうか。こんなとき、実は文章が面白くないのではなく、無意識下で読みづらさを感じているのかも知れません。少し極端に組んだ例ではありますが、「1-A」では多くの人が読みづらさを感じるのではないでしょうか。「1-B」のように、適切な文字送りと行間でリズムを作れれば、スイスイ読み進められることが多いものです。

2-A
2-B
2-A
2-B

2つめの例は、図版などでの、情報の整理の仕方です。「2ーA」でもしっかり読んでもらえれば、意味と内容は伝わりますが、「2-B」のような配置にすることで、より短時間で情報が理解できるのではないでしょうか。図版は、文章の補足であることもありますが、その補足を先に理解することで、文章を読む気になることもあると思います。

3-A
3-B
3-A
3-B

3つめの例は、POPやチラシ、広告などで見られる例です。伝えたい要素をどれも同じような強さで打ち出すと、全体がぼんやりとしてしまい、結果的にどこにも目がいかないことがあるものです(3ーA)。「3ーB」のように、目立たせるべきところをしっかり立たせ、メリハリをつけると、情報を目で追っていく順番が無意識に出来て、より訴求できるものになるのです。

 

ほんの一例にすぎないのですが、デザインによってより情報が伝わりやすくなる、良い効果だと言えるのではないでしょうか。

書体選びのこと

書体選びは私たちの仕事にとって、とても重要な部分です。さまざまな書体の中から、その制作物に一番合うと思う書体を選ぶことが、スタート地点となることも多いです。その過程では、複数の書体を組み合わせるということもあります。例えばAという書体の漢字と、Bという書体のかな(ひらながカタカナ)を組み合わせるなどして、表現の味付けにするのです。書籍の本文組で使うことが多いのですが、伝えたいイメージを表現するために、見出しやタイトル、キャッチコピーで使うことも多々あります。

人によっては、「それほど違わないのでは」と感じることもあるようです。ここでは書体による見え方の違いの差を、ほんの少しご紹介いたします。興味本位でご覧いただければ幸いです。

一つ目は私たちの仕事では定番となっている、「リュウミン」という書体です。左の画像は、通常のリュウミンRのみです。右の画像は、「リュウミンR」にかな書体の「リュウミンRO」を組み合わせています。スライドして比較できますので、比べて見てください。かな書体を組み合わせた方が、少し上品なイメージになっていないでしょうか。

同じように「秀英明朝」という書体に「秀英5号」というかな書体を組み合わせて見ました。左が組み合わせナシ、右が組み合わせアリです。少し趣のある見た目になり、文章に表情が出ていると感じませんか。

今度は書体の組み合わせではないのですが、書体の違いによる、トーンの違いをご覧ください。パッと見は同じような丸ゴシックですが、雰囲気が違うことを感じていただけると思います。これはどちらが優れているということではなく、好みや、どんな仕上がりにしたいかといったことで選ばれれば良いことだと思っています。

書体の違いによって、見え方が変わる例として、いくつかご紹介させていただきました。最後に有名な俳句をそれぞれ違う書体で組んでみました。お好みのものがあるでしょうか。

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