読みやすい書体、読みにくい書体 

2020.12.01 | 組版&デザインブログ

DTP黎明期、乱暴なことを言えば、和文書体(和文フォント)は「中ゴシックBBB」と「リュウミンL」の2種類でした。それに比べ現在は、様々な書体が開発され、表現力豊かなデザインがたくさん生まれています。 
それだけに、ともするとシチュエーションにそぐわない書体(フォント)選びがなされていることもあるようです。 
特に、長文で不向きな書体が使われていると、知らず知らずに読みにくさを感じていることも。 
ここでは、長い文章を読む際に、読みやすく感じる書体、読みくづらく感じる書体をお伝えしたいと思います。 
  

クセのない書体を選びましょう

 
長文を読むのには、クセのない書体が向いています。クセのある書体=特徴のある書体は、広告のキャッチやロゴなど、特徴を出したい部分で使うことは良いのですが、長文を読む際に書体に特徴がありすぎると、途中で読む気がしなくなってしまいます。ちょっと変わった雰囲気を出したい場合でも、長文の場合はプレーンでクセのない書体が向いています。 
  

明朝体?ゴシック体?

 
明朝体、ゴシック体は一般の方でも耳にされたことがあると思います。文芸書などの書籍では、本文に明朝体が使われることが多いですね。明朝体は自然と文章が頭に入ってきやすく、読み手に負担がかかりにくいと言われています。新聞などでも明朝体系の書体が使われていますね。対してWeb上で読む長文は、ゴシック体の方が多いようですね。これは印刷物とディスプレイ(画面)の違いが原因かと思いますが、明朝体のよりもゴシック体の均一な太さのデザインが、画面での認識に向いているからだと思います。 
  

太くないものが向いています

 
明朝体、ゴシック体とも長文に向くのはある程度「細め」のものが向いています。文章を引いて眺めた時に、ぼったりと黒々しく見えるものは、あまり長文には向いていません。印刷物の長文では明朝体が使われることが多いと書きましたが、ゴシック体でも細めのものを選べば、読みやすくモダンな印象を出すことが出来ます。Webに見慣れた世代が増えていますので、企画書などではゴシック体を選んでも良いと思います。ただし、ぼったりとした見た目にならないように気をつけましょう。 
 
私たちのエディトリアルデザインの仕事では、書体選びはとても楽しい工程です。書体によって同じ文章が全く違うトーンに見え、読んだあとに残る印象が、違ったものになる事も。興味が湧いたら、ぜひご自分の文章の書体を変えて、トーンの違いを楽しんで見てください。 

お問い合わせ

どうぞお気軽にお問い合わせください。
お客様が、その先のお客様に喜ばれるよう、
お悩みを一緒に解決できれば嬉しいです。