2020.12.01 | 組版&デザインブログ
読者はとても忙しく気まぐれです。やらねばならないこともたくさんですし、
他に面白そうなことがあれば、すぐにそちらに気を取られます。
そして、乱暴に言ってしまうと、本当は何も読みたくないのです。特に仕事では。
社内報や会報など、1頁めから順に読んでくださる読者は、少ないのではないでしょうか。
雑誌も同様で、拾い読みがほとんどではないでしょうか。
送り手は、順番に読んでくれることをイメージしがちですが、
実際には、順番通りに読み進める人は少ないように思います。そんな前提で冊子づくりに役立つと思うことをお伝えします。
拾い読みには、小見出しが威力を発揮します。
忙しい方のご意見で、小見出しから自分に関係のある内容を探しあて、
その段落の本文を少し読んでみるというお話を聞いたことがあります。
そして記事に有効性を感じると、最初の方へ行ってみる。
面白そうな小見出しは、効果的だと思っています。また、程度にもよりますが、小見出しはしっかり目に入るものになるように心がけています。
人によっては、リード文を飛ばして、本文を読み始めることもあるようです。
ですので、リード文を読んでいないと本文の内容が理解できない構成は、避けたほうが良いと思っています。といってリード文が無くても良いかというと、レイアウト、デザインの都合としては、リード文はあった方がサマになることが多いです。
個人的には、結論に近い「こんなことが書いてあります」的なリード文が、本文まで読む気にさせるように思います。
導入のように使われがちなリード文ですが、「まとめ」を先に読者に伝えて、その先の本文は、拾い読みでも概ね内容がわかる構成にするのも、一つの方法かと思います。
ページ構成を考えていく際に、例えばワードなどのアプリケーションで原稿を用意していくと、
1ページずつ、単ページでのイメージになると思います。
しかし読者は本や冊子を手に持って、ほとんど見開きで本や冊子を目にすることになります。
もし作っているものが冊子であるなら、見開きでの構成を意識すると、自由度が増すかもしれません。
1つのコーナーが続いているのであれば、2ページ目、3ページ目と、順番通りに構成するのではなく、
見開きの上側と下側、見開きの3分の2と3分の1など、もう少し自由に構成を考えてもよいはずです。
見開きの中に目につく箇所を作って、そこから拾い読みができるような仕掛けも一つの方法かと思います。
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